花の奴隷
花が奴隷のように見える。
そんな風に呟いた時、知り合いのフローリストがものすごい変なリアクションをしていた記憶がある。
何を言っているのか、意味が分からなかったのだろう。
そりゃそうだ、僕自身にしてもその瞬間に思い付いたものだったし。
こんな事いうと農家さんや市場の人に申し訳ないが、決して各々の仕事や立場を悪くいうつもりはない。
ただ、人に置き換えるとこれって奴隷制度みたいだなぁと思っただけで。
人が大量に花を育てて、必要な場所にその花が買われてき人を喜ばす。時には、その量のバランスが崩れ大量に破棄されることもある。人の都合で生まれ、人の都合で消費される。
そう考えると実に切ない。
何度も言うが、産業の流れに文句をいうつもりはない。
あくまで思考実験的に考えてみたらの話しである。
実際、食肉もそうだし野菜もそう。
一次産業とはそういうものだ。
そんな産業の端っこで、僕らは花に水をやる。
主人は一体どちらなのか。